先日、会社で会議の進行役(ファシリテーター)を任されました。
社会に出ると、それまで経験がなくても求められるスキルというものがあります。
そのひとつがファシリテーション能力です。
このスキルは、自身が担当する会議やプロジェクトを円滑に進めるためには必要不可欠な能力と言えます。
- ファシリテーションの経験がない
- 会議でファシリテーターを任せられるが、いつも上手くまとまらない
- 時間ばかり使う非効率的な会議は苦手だが、どうしたらよいのかわからない
そんな風に思っている人はぜひ今回の記事を読んでみて下さいね。
そもそもファシリテーションとは何?どんな意味?
ファシリテーションとは、会議のスムーズな進行と成果を出しやすい環境の構築を目的とした支援・促進を指します。
司会とは少し異なります。
プログラムの進行だけでなく、その場にいる人たちの相互作用や関係性を促進しながら、合意形成や課題解決をはかるという役割がファシリテーションにはあるのです。
ファシリテーションは日本語訳で「促進する」という意味があります。
今、ファシリテーターが求められている⁉
社会や企業のグローバル化が進み、組織の中に様々な人材が集まり仕事をする機会が増えてきました。
多種多様な人が集まり、アイディアやサービスを生み出すのはワクワクしますよね。
大きな可能性や、今までにない発想が出てくるはずです。
しかし、メンバーの能力を最大限に活かすには、意見や考えを述べやすい環境や役割が必要です。
会議の望ましい環境
- 会議やプロジェクトに参加しているメンバーに発言の機会を与える
- 多種多様な意見を集約する
- 意見や考えを公平に扱う
また、会社における組織の形も変化しており、トップダウンからボトムアップへ・オフィス内のフリーアドレス化など、従来のように情報が上から下に流れるだけでなく、下から上・横同士で情報が錯綜するようになりました。
そのため、上手く全体をまとめる能力が組織で求められています。
会議やミーティングを良くしていくために必要なのもの:戦略
話し合いをより効果的に行うために必要なものは、ズバリ戦略です!
会議やミーティングではテーマや問題点・解決策などの中身が大事だと思われがちです。
しかし、実はそれ以上に、その中身を上手く進めていくためのプロセスをどうするかが重要。
ダラダラと長いだけで意味のない会議をすることは、メンバーのモチベーションを下げてしまい、結果的に時間だけが過ぎてしまいます。
そのため、より有意義な話し合いにするためにも、効果的な進行や各メンバーの役割分担が大切です。
事前に役割や発言の順番を決めておき、どのように会議を進めていくか戦略を立てておきましょう。
また、会議を円滑にまとめるために、話し方や話題転換の方法を知っておくと役に立ちます。
そのひとつ、アイスブレイクはこちらの記事でぜひご覧くださいね⇩
ファシリテーションの基本の7ステップ
ここからは実際に、ファシリテーションのために必要な7つの基本ステップについて話していきます。
より詳しくは「明日からリーダーをやって」と言われた人のファシリテーションスキル超入門という本に書いてありますので、興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。
ステップ1:チェックイン~場を設定する、場を温める~
会議やミーティングで参加者の考えを引き出す最初の準備は、場の設定です。
これは単に物理的な時間と場所だけではなく、会議のゴールや目的を共有し参加メンバーのモチベーションを挙げることも含まれます。
そのために考えるべきポイントは8個あります。
- タイミング
- 誰を集めるか
- どこでどんな環境でやるか
- 何のテーマの何について話すか
例)来期の営業成績を30%アップさせるためには - どんな議題とプロセスか
- 何を議論するのか
- どこまで結論を出すか
- 会議後のメンバーの行動をどう変化させるか
ステップ2:課題の共有~何をやるのか分かってからとりかかる~
会議の目的や課題をメンバーとしっかり共有しましょう。
ここで重要なことは「程度の認識共有」です。
「そこまで重要だとは思わなかった」「そんなに急いでいるとは……」と後から言われても困りますよね。
そのため、全員で具体的な意見や考えを出せるよう、具体的にイメージ共有をしましょう。
例えば
下記1~3は同じような会議の議題ですが、どれが一番ゴールのイメージが湧きますか?
- お客様へのサービスの質をあげるためにはどうしたらいいのか?
- お客様からのクレームを半分に減らすにはどうしたらいいのか?
- お客様からのクレームを一日10件から7件減らし、ありがとうのメッセージを毎日2件ずつ貰うために私達にできることは?
もちろん3番です。
具体的な例があると、イメージが湧きやすいです。
このように、単に議題を共有するのではなく、どのレベルまで考えて何を成し遂げるのかをメンバーとすり合わせる必要があります。
ステップ3:拡散~引き出す~
ファシリテーターはどれだけ参加者の考えを引き出せるかが問われます。
そこで必要になってくるのが引き出す力、質問力です。
「質の高い質問には質の高い答えが返ってくる」という言葉があります。
あなたの将来の夢は何ですか?と問われるのと、
あなたは10年後どんな毎日を過ごしていたいですか?と問われるのでは、答え方が変わりますよね?
より質の高い質問ができるようになると、より質の高い意見を引き出すことができるようになります。
ステップ4:混沌~聴くことで何が起きるか~
相手から話を引き出せた後に、いきなり話の整理をするのはちょっと待ってください!
「それは○○ということですね」と要点をまとめたくなってしまうかもしれません……が、グッと我慢です。
出てきた考えや意見を、もう一段階深める必要があります。
- なぜその意見を出したのか?
- その背景や根拠は?
これらも共有することで、メンバー間の情報差が埋まり、相互理解が深まります。
ステップ5:収束~整理する・まとめる~
さまざまな意見が出て、それに対する背景を聞いてから情報の整理をします。
整理のプロセスは3ステップです。
- アイデアの分類:親和性のある者同士をまとめること
- 関係付け:分類した者同士の関係性や位置付けを明確にする
- フロー化:関連付けたものを時系列順にまとめる
会議では議事録を付けることも多いですが、情報をまとめておくと見直すときも分かりやすいですね。
もちろん、ここでの整理はステップ6での意見交換のためです。
ステップ6:共有~意見を分かち合い合意形成をする~
会議で大事なことは正解を探すことではありません。
大事なのはメンバーが腑に落ちることです。
会議で出たアイデアや結論に納得できないと、実際に行動に移したいとは思わないですよね。
「納得感」が人を行動させるのです。
そのためには、お互いの意見をしっかり交わし、相手の情報や考えを共有することで全体が納得をする必要があります。
ただし、ファシリテーター自身の考えに無理やりこじつけたり、結果ありきの会議だったりすると、ミーティングを開く意味すらなくなってしまいます。
しっかり「会議の目的」を念頭に置いておきましょう。
ステップ7:チェックアウト
会議も終わり……という場面では、行動やアクションを具体的に目標設定する必要があります。
会議で出たアイデアは、実際にアクションを起こさないと意味がありませんよね。
会議がただの会議で終わるだけでなく、次に繋がるような場にすることがファシリテーターには求められます。
目標設定を!
- 誰が・何を・いつまでにやるか明確にする
- Aチームは来月末までに既存顧客へのアンケートを集計する
- Bチームは2か月ほどターゲット層をずらして商品アピールする
- 議事録を発行し、全員に共有する
- 情報やミーティング内容の見直し
- メンバーへの目標・タスク通知
- 情報の誤りがあれば正す
ファシリテーションを活用し有意義で結果がでる会議に!
ファシリテーションは、メンバーが会議で意見を出しやすくなるように環境を整え、実りある内容となるように全体をフォローすることを指します。
その役割を担うファシリテーターには、抑えるべきポイントがあります。
ポイント
- メンバーが発言しやすい環境づくり
- 会議をどのように進めるか戦略を立てる
- ファシリテーションの7ステップ
また、最終的には会議メンバー全員が結論に納得をする必要があります。
ファシリテーター自身の偏見や意見に偏ることなく、公正に意見をまとめることは難しいです。
しかし、メンバー1人1人の自主性を促し、それぞれが責任と当事者意識を持つことで能動的な会議を行うことができます。
もしファシリテーターとして指名されたときは、恐れず挑戦してみてくださいね。
あなた自身の成長に繋がるはずです!
最後までご覧いただきありがとうございました。