働いていると、上司からびっくりするような指示が飛んでくることがあります。
「いやいや、不可能でしょ!」と思っても、上司は大まじめ。
私のような平社員は、なんとか知恵を絞って切り抜けるしかありません。
理不尽な要求に答えを出さなければならないことを、私は「一休さん仕事」と読んでいます。
今回の一休さん仕事はこちら⇩
本当は航空便で取るべき商品を、船便に載せてしまった!
船に積まれているコンテナの中にあるこの商品を取り出して、すぐに飛行機で運んでくれ!
ちなみに私の本業はヨーロッパを取引先とする輸入商社。
船便は東京入港まで1ヵ月は掛かります。
もちろん船は運行中。大海原を進んでいます。
この問題をどう考え、どのような解決法を提示するか…少し仕事の後輩と話すがあったのでまとめてみました。
上司は不可能な指示を本当にやって欲しいわけではない
実はこの指示、私に最初に来たのではなく、後輩に与えられたものでした。
後輩はとても素直な部分があり、上司の指示や意見をそのまま額面どおりに受け取ってしまうところがあります。
そのため、まずは「どうやって船を止めるか」「船からコンテナを下ろす費用」について調べ始めたようです。
でも、船を止めたり、コンテナを降ろしたり、その貨物を空輸切り替えしたり、莫大な金額と時間が掛かりますよね。
後輩のメモにチャーター飛行機の費用まで書いてあり、どうやら彼は運行中の船に着陸しコンテナを開けて荷物を取り出すことも想定しているようです。
(ミッション・インポッシブルみたいなプランですね)
一生懸命やっているのはわかります。
上司の指示に従っていることもわかります。
でも、間違っています。
別に上司は、上司の言うように「船から貨物を取り出して飛行機で運ぶ」ということを望んでいるわけではないのです。
上司が望むのは「望みの貨物がすぐに到着すること」。
例えばこんな方法だってあるんです⇩
- メーカーに同じものを急いで作らせる
- 同じ商品を取り扱っている国内ライバル商社から取り寄せる
- 別のメーカーの代替品を検討する
どの案が良いかは、取り寄せる貨物の重要性によりますが…
もし唯一無二、代替が難しい場合は、本当に船を止めるしかありません。
幸いにも、今回の課題では代替が効く貨物でした。
また、生産が間に合わなかったことも考えて、少し値が張りますが、国内ライバル商社から商品を買いつけることにも成功しました。
これで海外メーカーに同じものを作ってもらっている間に、多少の在庫余裕も持つことができます。
上司の「有り得ない命令」は、まるで一休さんを試すお殿様の「屏風の虎を捕まえろ」という難問と同じようだと思いませんか?
(まあ、お殿様は一休さんのとんちを見るのが目的ですが、上司は屏風の商品が欲しい…という違いはありますが…)
指示に向かない上司と素直すぎる部下は自分かも
私の上司は、はっきり言って指示ができません。
希望や考えはありますが、それを外に出すのが苦手なのだと思います。(かなり控えめな言い方)
思ったことや、その場で浮かんだ考えを、よく考えないで部下に指示してしまうようです。
理想の上司の場合、問題があったときに部下に的確な指示を与えます。
実現不可能なことや有り得ない命令は出しませんし、部下が迷えば解決策も与える…はずです。
このようなことを言っては身も蓋もありませんが…
上司の言うことが必ず正しいとは限らない
と常に認識するのが大切です。
また、逆に、私の後輩は「相手の言いたいこと・本心を汲み取る」ことがすごく苦手です。
よく言えば素直なのかもしれません。
あけすけに言えば…疑うことを知らず、相手の言うことを鵜呑みにし、要らぬ時間と労力を使ってしまう人です。
プライベートなら問題はありませんが、ビジネスでは少し苦労する性格かと思います。
と、上司と後輩の紹介をしましたが…
やはり大切なのは、自分はこのふたりのようになっていないか…と考えることかな、と思います。
- 上司ほどではないにせよ、相手に難易度が高い問題や不可能な解決策を与えていないかどうか…
- よく考えず相手の指示通りに行動し、悪い結果に向かっていないか…
例えば私は、相手が「パソコン持っていて当然」と思ってしまいがちです。
でも、部署によってはパソコンが共有だったりするんですよね。
そんなとき、長時間のパソコン作業をお願いするのは難易度が高いかな〜と思います。
上司や後輩の例は本当にわかりやすいです。
ただ、それを笑うか、それとも自分に当てはめてより良くする糧とするかは自分しだい。
また、周りを見れば、そのような例は人だけでなく物やシステム・制度など、たくさん見つけることができます。
すべてに携わることはできませんが、できるだけ目を開いて進んでいくと、やがて驚くほど仕事がしやすくなっていくと思います。
まあ、疲れるので、たま〜に休憩を挟みつつ)
一休さん仕事|物事の本質はどこか探っていこう
一休さんは「屏風の虎を捕まえる」というお題の本質は、お殿様が一休さんの知恵(とんち)がどれくらいか試すものだとわかっていました。
だからこそ、お殿様に「さあ、屏風から虎を追い立ててください!」と、その難問を投げ返したのです。
もし上司から難問を出されたら、まずはその「本質」を考えます。
「期待されていること」に置き換えても大丈夫です。
彼・彼女は何を望んでいるのか?と考えて、難問に取り組んでみましょう!
もちろん上司の指示や意見が納得のいくものであれば、その通りの行動が望まれます♪
この記事は割と主観的な意見が入っていますが、ぜひ参考にしていただければ嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました♪